道具解説 剪定鋏 刃物の基本情報

180mmの剪定鋏を愛するプロフェッショナルたち

職業柄、多くの庭師さんと会って話をします。
その中で、剪定鋏について聞いてみると
意外なほど180mmの愛用者が多いことに気がつきます。

もちろん、あえて話題にしている以上
その人たちは決して小柄ではなく
体格としては200mmの剪定鋏が推奨されるような人たちです。

一体、どうして200mmではなく180mmを使うのでしょうか。

※180mm剪定鋏の愛用者の声を募集中☆

太い枝は鋸で切る

そこで、実際に使っている庭師さんに話を聞いてみました。

飛庄のB型180mmを愛用している愛媛県・K造園のKさんです。

飛庄のB型180mmを愛用しています。
キリバシのように親指でホールドする握り方がシックリきてとてもGOODです。
キリバシの感覚で手に優しい印象です。
最近は、B型ちゃんしかぶら下げてません。どうしても剪定鋏って太いの無理してしまうし、
切れちゃうから手にも鋏にも負担がありますが、
180mmにすることで太いの回避するのと手に収まる感じがとてもLOVE。2年前から細目のノコに変えたのでさらにGOOD!
すぐにノコに持ち替える癖がつきました。
お陰で常に手のひらの親指の付け根が常に痛かったのがスッカリ治りました。
飛庄 B型剪定鋏 180mm 金止 鍛冶職人手造り 鍛造 最高級剪定ばさみ

ほぼ原文ママで紹介しちゃったので
LOVEとか言ってしまっているのはさておき(汗

なるほど。

太めの枝に無理して切りに行かなくなった、
そういう時は鋸に任せることにしたということですね。
とても合理的な判断です。

飛庄さんに限らず、鋏や刃物の作り手がいつも言うのは
「限界を超えて使わないでほしい」ということ。

太い枝に何度も無理やり握り込むことで
横方向の力が加わりやすくなります。
もちろん、これは刃の割れ欠けが起こりやすい状態です。
また、次の話にも出てきますが、カシメの心棒が折れてしまうこともあります。

180mmの設計は、草花から小指程度の太さまでです。
バラの栽培や菜園を持つ人たちに愛用されているサイズです。
また、B型は解説ページにも書きましたが、
刃先の中心がセンターライン付近にあることで、
より、細かい作業と取り回しがラクになります。

手入れを続けてきた庭では、太い枝を切ることがほとんどない

続いて話を聞かせていただいたのは
滋賀県のIさん、もちろん本職の庭師さんです。

剪定芽切180㎜のヘビーユーザーです。これを使いだして5年ほど経過しましたがこれに勝る鋏にはまだ出会っていません。多少の無理も効き、細かい作業もできる。小回りも効く。なにより切れ味がいい。これを使いだして剪定のスピードは確実に上がりました。
それまできりばしを20年ほど使っていましたが最近は滅多に使わなくなりました。A型は暴れた木の剪定かカシの木など硬い木のみに使っています。前も浦田さんにお伝えしたように、周囲と違って私個人としては、A型はあまりしっくり来ていません。サイズが大きいからなのか、微妙に握りこみにくい等々。愛媛のK君の言うように180㎜位の手に収まるサイズが一番いいように思います。それくらいのサイズが一番握りこみやすく力も入りやすい。
ただ一度剪定芽切を力いっぱい握りこんで心棒が折れたことがありましたのでそれ以来無理をかけないように気を付けています。いまはB型もしくは飛龍に興味があります。
京都では毎年手入れされている庭が多く大きく枝を抜く事が少ないので剪定芽切で十分なように感じています。京都の職人の間でもかなり普及してきており坪田金物は入荷即完売が続いており最近はおっちゃんが棚の奥に隠していることがあります。
B型使ってみようかな。。

文中に出てくる坪田金物さんは、庭師なら知る人ぞ知る京都の庭師専門の道具屋さんです。
京都から遠くに住む庭師さんたちが、京都の庭を見学に行ったら
その足で坪田金物に道具を買いに行くと言われるほどのお店です。
(プロでない人は行かない方がいいです。追い出されます、きっと)

話を元に戻すと、KさんもIさんも、握り込んで使うことを意識されています。
京都の庭師道具と言われるキリバシ を使ってきた人は特に180mmを愛用するのかもしれません。

バッサバッサと枝を落とす作業ではなく
チョンチョンと枝を抜いていく作業が連続する人には180mmはおすすめです。

もっと小さな160mmが、これまた使いやすい

滋賀のIさんが、「実はもっと短い剪定鋏も愛用しているんです」と教えてくれました。
聞けば、ミニ松葉鋏というものらしく、飛庄さんの製品です。

これは、ご本人に突撃取材だ!
ということで、飛庄さんに話を聞いてみました。

あ、その前に滋賀のIさんが写真付きで解説してくれたので
まずはそこから紹介します。

<現在、まとめ中、しばらくお待ちください>

まとめ

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URA EDGE

兵庫県神戸市出身。制作ディレクター・ライター。雑誌「庭」での連載をきっかけに40名以上の鍛冶屋さんおよび数社のメーカーを取材。刃物の海外販売ECサイト「TETSUFUKU」および国内販売ECサイト「たたらや」を運営。刃物業界、特に手打ちの鍛冶屋さんによる刃物文化を世界に発信したいとEDGESを立ち上げる。

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