雑誌庭 No.238 2020年春号に飛庄さんの飛龍型剪定鋏について掲載しました。
山形県を訪れるのは久しぶり。
前回の訪問は、庭NIWA No.224 2016秋『新しい風景の創出 [ホテル・旅館]』の号で連載していた
~庭師のためのREADYMADE TOOLS~で粉砕機メーカーの株式会社カルイさんを取材して以来
4年ぶりのこと。
飛庄の三代目、飛塚靖仁さんに
革新的な道具を作った人を紹介するという~庭道具考~の趣旨を説明したところ
快く取材に応じていただきました。
掲載する剪定鋏は、飛塚さんが完全に新しく開発した「飛龍型」。
その開発の経緯や、刃合わせがないのに切れるメカニズムについても
ざっくばらんにお話しいただけました。
飛龍型については別のページで詳細に解説しますが
どこが最も優れているかというと
「切る際の抵抗が少ない」ということ。
一回ずつの剪定作業の負荷低減は微々たるものかもしれませんが
数百本もの枝を切るような時には、大きな差になるとのことです。
その抵抗を減らしているのが
- 切り刃の表裏がともに鏡面仕上げ
- 薄めにつくられた刃(割れ欠けリスクを低減するためにいまは開発当時より少し厚くしているとのこと)
- きっちりと枝をくわえ込む受け刃の形状と、支点と刃の位置関係
に代表される独自の工夫の数々です。
鋼は飛庄さんお得意のYCS3を使用。
ポテンシャルを引き出しながら、切れ味と粘りの両方を実現しています。
とにもかくにも、刃合わせがない鋏という奇想天外な剪定鋏については
雑誌「庭」No.238~庭道具考~をご覧ください。