6月1日〜6月7日の刃物・道具・造園ニュース|天空の坪庭8開催と荒波の鋼材関税

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5月25日〜5月31日の刃物・道具・造園ニュース|術-JUTSU-2026開催とチェルシー閉幕

5月最終週、静岡市街地の中心部で庭師、木こり、大工、音楽家、飲食店などが一体となった「術 -JUTSU- 2026」が青葉シンボルロードを舞台に3日間にわたって開催され、職人の技と表現が交差する場として大きな熱量を生んだ。英国ではチェルシーフラワーショーが閉幕し、「心と身体を整える庭」というトレンドが世界的な潮流として鮮明になった。国内では5月下旬の真夏日が各地で続き、造園現場の熱中症対策が本格的なフェーズに入っている。ナフサ高騰を起点とした資材インフレの連鎖は木質建材にまで広がり、6月以降の現場予算管理がいよいよ正念場を迎えている。

造園・庭職の動向

【イベント・造園】

静岡「術 -JUTSU- 2026」開催。庭師、大工、音楽家、飲食店が一体となった空間が青葉シンボルロードに

5月29日から31日の3日間、静岡市中心街の青葉シンボルロードで、「術 -JUTSU- 2026」が開催された。庭師、木こり、大工といった職人と画家やミュージシャンが集うカルチャーマルシェで、130以上の店舗が集結。開催時間は毎日11時から21時まで。
今回の「術」が際立っていたのは、空間構成の密度だ。庭師や大工と出店者が協力しあい、それぞれの店舗を作り上げた。そして、その店舗同士は、術会場内でつながるように連動していたことが何よりも特徴的なことだった。まさに誰にとっても非日常の体験で、特に来場者は庭師や大工が本気で生み出した空間の中で、飲食やファッションなどの商品を体感。その様子は、Instagramでも多数発信されている。
庭師が本気で作り上げた石組みのステージも圧巻だった。ソエジマトシキさんを筆頭とした実力派ミュージシャンたちが出演し、3日間を音楽で盛り上げた。
「庭師が本気で作った庭の中で飲食し、買い物をして、音楽を聴く」という体験は、ありそうでなかなかない。イベント会場として仮設されたものではあるが、この3日間のためだけに庭師と大工が全力で作り上げた空間の中に身を置くことは、職人の仕事を五感を通して体験すること。そして、職人たちにとっても、自分たちの仕事の価値を地域や人々に直接届けられる場となった。
こうした形で職人の技術とアートと食が一体化し、街なかにこれだけの熱量と完成度で実現したイベントは国内でも類を見ない。天空の坪庭展、なにわの坪庭展、庭展なら、庭展伍國と全国各地の坪庭展が育ってきた流れの中で、術はまた異なるアプローチで「庭師の仕事の価値」を世に示している。
出典:号外NET 静岡市葵区 2026年5月静岡新聞アットエス 2026年5月29日

【地域イベント・文化】

せたがやガーデニングフェア、お富士さんの植木市、箱根のホタルなど、5月最終週は全国各地で庭の季節が佳境に

5月30日と31日、東京の世田谷区立世田谷公園にて「せたがやガーデニングフェア2026」が開催された。2006年から続くこのイベントは、和風・洋風の庭園展示、コンテナガーデンコンテスト、坪庭作庭体験、寄せ植えづくりなど多彩な内容で構成されており、2025年版は過去最高の来場者数を記録した実績を持つ。専門家による園芸相談コーナーも設けられており、地域住民が緑と庭に直接触れられる場として20年にわたり定着している。

同じく5月30日と31日、東京・浅草の浅草富士浅間神社では400年以上の歴史を持つ「お富士さんの植木市」が開催された。メイン会場の柳通りを歩行者天国とし、近県の植木商が軒を連ねた。夜にはまたぎ提灯に灯りが灯り、江戸情緒と現代の園芸文化が交差する風景が広がった。

神奈川・箱根では1万坪の池泉回遊式庭園を持つ吉池旅館でホタル観賞のシーズンが到来。歴史的な日本庭園の継続的な維持管理が、生物多様性の保全と観光価値に直結している好例として注目される。横浜では「ガーデンネックレス横浜2026」が最終盤の盛り上がりを見せており、公園愛護会や市民ボランティアと連携した街ぐるみの緑化戦略が集大成を迎えている。新潟・長岡の国営越後丘陵公園では5月30日・31日に夜20時まで開園時間を延長する「サンセットオープン」が実施され、2,400株のバラとマジックアワーの景観がプロの造園管理の底力を示した。

これらのイベントを支えているのは、日々現場で働く庭師たちの技術と継続的な維持管理だ。街なかから公園、旅館庭園まで、それぞれの場所で緑が人々を集め、庭師の仕事の価値が地域に届けられた1週間となった。
出典:世田谷区公式サイト 2026年5月浅草観光連盟 2026年5月台東区 2026年4月国営越後丘陵公園 公式サイト 2026年5月ガーデンネックレス横浜 公式サイト 2026年5月

【海外・イベント】

チェルシーフラワーショー2026閉幕。「心と身体を整える庭」が世界の潮流として鮮明に

5月23日、英国ロンドンのロイヤル・ホスピタル・チェルシーにて「チェルシーフラワーショー2026」が閉幕した。今年のショーを総括する上で世界のガーデンメディアが一致して指摘したのは、「庭が人の心と身体を整えるための空間へと進化している」というトレンドだ。特に注目を集めたのが、デザイナーArit Andersonによる「Parkinson's UK – A Garden for Every Parkinson's Journey」。パーキンソン病とともに生きる人々のために設計されたこの庭は、密に植えられた多様な植物と、症状の一つである「すくみ足」が起きた際に再び歩き出すきっかけとなる水の音を取り入れた手すりを特徴とし、医療・感覚・園芸を結びつけた庭として高い評価を受けた。水が単なる装飾ではなく人の神経を落ち着かせる「感覚の装置」として設計された庭も多く見られ、「美しさ」から「人を支え社会課題に寄り添う空間」へと庭の役割が拡張されていることが鮮明になったショーとなった。日本の伝統的な庭文化が長年実践してきた「人の心に作用する空間設計」という思想が、世界のトレンドとして改めて言語化されつつある。
出典:RHS(王立園芸協会)公式サイト 2026年5月note(松田さと子)2026年5月MikiUK 2026年5月

【気象・現場管理】

5月下旬の真夏日が各地で続出。造園現場の熱中症対策が本格フェーズへ

5月下旬に入り、全国各地で気温30度を超える真夏日が相次いで観測されている。日陰の少ない造園・土木現場では、本格的な夏を前に熱中症リスクが急上昇している。空調服の着用や適切な水分・塩分補給、こまめな休憩の確保など、真夏と同等の対策を5月のうちから徹底することが求められる。4月の記録的高温から続く今シーズンの傾向として、現場の安全管理の「前倒し」は今後の標準対応となっていく可能性がある。
出典:気象庁 2026年5月

道具・資材の動向

【資材・市況】

塩ビ・樹脂製品に続き木質建材・金属サイディングも6月から値上げ。ナフサ高騰の連鎖が拡大

前号で報じた塩ビ管・樹脂製品の値上げに続き、今週は木質建材と金属サイディングにも値上げの波が拡大した。朝日ウッドテックやアイジー工業など大手メーカーが6月受注分より15〜18%以上の価格改定を発表。ウッドデッキや外壁・屋根まわりの部材実行予算への影響が避けられない状況だ。中東情勢悪化を背景としたナフサ高騰は、石油化学製品・木質建材・金属建材と素材をまたいで連鎖しており、帝国データバンクは5月29日、2026年の飲食料品値上げが1〜10月の判明分だけで9,361品目に達し、2022年の調査開始以来5年連続で年間1万品目突破が見込まれると発表した。造園・外構現場においても、6月以降の見積もり有効期限の短縮や早期の資材確保といったリスクマネジメントが急務となっている。
出典:新建ハウジング 2026年5月22日帝国データバンク 2026年5月29日・建材流通業界各紙 2026年5月

【行政・制度】

グリーン購入法「特定調達品目」提案募集、6月11日締め切り迫る

先週お伝えした国土交通省・環境省・経済産業省による「グリーン購入に係る公共工事の特定調達品目」の提案募集が、6月11日の締め切りを迎える。環境配慮型の造園資材や緑化工法を国の調達品目として提案できる機会で、採択されれば公共工事における優位性につながる。対応を検討している造園事業者は早急な書類準備が必要だ。
出典:国土交通省・環境省・経済産業省 2026年5月11日

【出典・引用元について】

本記事のニュース項目は、各公式発表および報道に基づきEDGEsが独自に構成・要約したものです。数値の詳細や最新の正確な情報については、引用元メディアにて直接ご確認ください。

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職人取材ライター浦田くん(浦田浩志 / EDGEs)

兵庫県神戸市出身。2000年より制作ディレクター・ライターとして活動を開始。2009年から雑誌「庭」で造園道具の連載を担当し、現在も継続中。これまでに50を超す鍛冶屋および刃物・道具メーカーを取材し、交流のある庭師は200名以上。2012年からは刃物・道具の越境ECサイト「Tetsufuku」を運営し、海外の刃物愛好家の動向にも精通する。執筆記事の一部はCiNiiにも「浦田浩志」の名で取材実績の掲載。EDGEsでは、これまでの経験とつながりをベースに、庭・造園・刃物・鍛冶屋・関連職人の世界に深入りしていきます。

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