このニュースを見ておけば、造園業界や刃物業界の最新事情通になれるEDGEs週刊ニュース。北陸地方や東北地方が梅雨入りしたタイミングの第13号です。
今週は刃物、道具、造園、それぞれの領域で動きがある週となった。東京都の笹塚では日本庭園の石、水、植栽を素材の視点から読み解く専門講座が開催。作庭の思想を深める場として注目を集めた。刃物業界では貝印の世界展開ブランド「旬」が、最高峰の2シリーズにおいて新作を同時発売。山梨県の清里では「ナチュラルガーデンマンス2026」が最終週を迎え、ポール・スミザー氏が手がけるサステナブルな庭づくりの実践が紹介された。資材では、マキタとHiKOKIが7月1日値上げ。その前に現場の駆け込み調達が本格化している。建材各社の値上げラッシュも落ち着きを取り戻さず、職人の原価管理がいっそう緊迫している状況だ。そして9月の技能五輪国際大会(中国・上海)を前に、造園職種の日本代表選手への注目と支援の輪が広がっている。
造園・庭職の動向
【作庭技術・伝統】
東京都の笹塚で「人と庭物語り会」開催。日本庭園の石、水、植栽から作庭の思想を紐解く
6月18日(木)、東京都渋谷区笹塚の地域交流センターにて、特定非営利活動法人 日本ガルテン協会主催による「人と庭物語り会」が開催された。今回のテーマは「日本庭園の作庭の材料 石・水・植栽」。日本ガルテン協会会長の原田榮進氏が講師を務め、歴史的にいかなる意図と思想のもとで、日本庭園においてこれらの素材が使われてきたかを解説した。同協会はウィーンのシェーンブルン宮殿日本庭園をはじめ国内外で作庭実績を持つNPOで、毎月第2木曜日に継続開催している専門講座は、庭師やこれから作庭を学ぶ者にとって実践的な技術と思想の継承の場となっている。
出典:特定非営利活動法人 日本ガルテン協会 公式発表 2026年6月
【造園・ガーデニング】
山梨県の清里「萌木の村ナチュラルガーデンマンス2026」が最終週。ポール・スミザー氏のサステナブルな作庭思想が注目を集める
5月から開催されてきた「萌木の村ナチュラルガーデンマンス2026」が6月21日(日)に閉幕を迎えた。最終週には、萌木の村のガーデナーとして知られる庭師・ガーデンデザイナーのポール・スミザー氏による「自家製堆肥づくり」や「日本の野生種植物を観察・活用した庭づくり」の解説が展開された。化学肥料に頼らず生態系と調和するスミザー氏の植栽アプローチは、生物多様性や持続可能性が問われる現代の造園ビジネスにおいて、職人が参照すべき実践モデルのひとつとして広く関心を集めている。
出典:萌木の村 公式サイト 2026年6月
【技能・国際】
技能五輪国際大会「造園」職種、9月の上海大会へ機運高まる。日本代表の2選手を支援するクラウドファンディングも始動
2026年9月22日から27日にかけて中国・上海で開催される第48回技能五輪国際大会「造園」職種に、門野史奈選手(株式会社今田作庭園)と西川寛昭選手(奈良県立磯城野高等学校)が日本代表として出場する。技能五輪国際大会は原則22歳以下の青年技能者が世界85か国以上から集い技を競う「技能のオリンピック」で、造園職種では4日間で一から庭園を作り上げる実技競技が行われる。日本は直近2大会(2022年タリン、2024年リヨン)で連続銀メダルを獲得しており、造園界の悲願である金メダル獲得を目指す上海大会へ向け、国内での機運と注目が高まっている。代表選手たちへの支援クラウドファンディングも6月以降に開始が予定されており、若き庭師たちの挑戦を業界全体で後押しする動きが広がっている。
出典:WorldSkills Japan 公式・厚生労働省 2026年1月27日発表
道具・資材の動向
【刃物】
貝印、世界展開ブランド「旬」の最高峰2シリーズを同時拡充。「旬DualCore」3ブレード・「旬Kagerou」2ブレードを新発売
グローバル刃物メーカーの貝印株式会社が6月15日(月)、高級包丁ブランド「旬」の最高峰2シリーズのラインナップを同時に拡充した。「旬DualCore」は、VG10とVG2という異なる特性を持つ2種の高炭素・高クロムステンレス鋼を70層交互に重ねたヘリンボーン模様の刃体が特徴で、今回はシェフズ・マスターユーティリティ・パーリングの3ブレードが追加された。「旬Kagerou」は、ハイエンド鋼材であるコアレス材に貝印独自のコンポジット技術を初めて採用したシリーズで、シェフズ150mmとマスターユーティリティ165mmの2ブレードが加わった。「旬」は2000年に欧米向け販売を開始し、2022年には累計出荷1,000万丁を超えた世界60か国以上で展開するブランド。鋼材を複合・積層することで切れ味と耐久性の両立を極める技術の進化は、刃物の素材研究という観点からも注目に値する。
出典:貝印株式会社 PR TIMES 2026年6月15日
【刃物・イノベーション】
MARUICHI WORKS、両刃の刺身包丁「影柳-Kageyanagi-」を発表。6月23日よりMakuakeで先行公開
クラウドファンディングで累計4,000万円以上の支援を集めた包丁ブランド「Maruichi Knife」(株式会社MARUICHI WORKS)が6月18日、新作「影柳-Kageyanagi-」を発表した。刺身包丁は伝統的に片刃が主流だが、同作は日本刀由来の反り形状とブラックオキシデーション(黒化仕立て)加工を継承しながら、あえて両刃設計を採用。食材への滑らかな引き切り性能と、家庭でも扱いやすい操作性を同時に追求した。6月23日よりMakuakeにて先行販売が開始される。「温故知新」をモットーに伝統を現代技術で再構築するこのブランドのアプローチは、刃物設計の新たな潮流として関心を集めている。
出典:株式会社MARUICHI WORKS PR TIMES 2026年6月18日
【工具・市場】
マキタ・HiKOKIが7月1日に値上げ。今週が実質ラストチャンス、現場で駆け込み調達が本格化
工具大手のマキタおよびHiKOKIが7月1日より電動工具本体を中心に5〜10%程度の価格改定を実施する。これに先立ち大手工具通販のビルディが6月29日(月)13時30分より販売価格を改定することを発表しており、今週(6月15日〜21日)は実質的な駆け込み購入のラストタイミングとなっている。対象はインパクトドライバ・ドリル・丸のこ・グラインダ・集じん機など現場で出番の多いカテゴリー全般。なお今年4月にもマキタ・ボッシュ他の価格改定があったばかりで、電動工具のじわじわとしたコスト増が現場の実行予算を継続的に圧迫している。
出典:ビルディ株式会社 PR TIMES 2026年6月1日発表
【工具・市場】
DCKがプロ用スペック×中価格帯の新ラインナップを日本市場に投入。マキタ・HiKOKI値上げの中、第三の選択肢として注目
グローバル電動工具ブランド「DCK」が6月17日、12V充電式マルチツール・充電式ヒートガン・充電式ディスクグラインダー・40V充電式インパクトレンチ・58Vバッテリーバックパックなど計7機種以上の国内新発売を発表した。プロ用スペックを持ちながら中価格帯を維持する同ブランドは、度重なるマキタとHiKOKIの値上げが続く中、コストパフォーマンスを重視する職人の道具選びに新たな選択肢を提示している。
出典:DCK 公式発表・ビルディ株式会社 2026年6月17日
【資材・市場】
ウッドワン・ルノンなど建材の値上げラッシュが継続。ウッドワン値上げ前の最終週、外構・造園の積算に直撃
大手建材各社の値上げラッシュが今週も続いている。ウッドワンが建具・床材などのカタログ設計価格を6月22日受注分より一律15%値上げするとしており、今週はその直前の最終週にあたる。また壁装材大手のルノンが7月1日より壁紙・壁装材を20〜30%値上げすることを発表済みで、ウッドデッキや木質資材を扱う外構・造園事業者にとっては今後の見積もり単価の引き直しが急務だ。6月に入ってから値上げを断行したアイジー工業(金属サイディング・屋根材、18%以上)に続き、石油化学製品・木材・壁装材と資材インフレの波が全方位に広がっており、現場の実行予算管理はかつてないほどシビアな状況が続いている。
出典:各社公式発表・業界メディア報道 2026年6月
【出典・引用元について】
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