5月11日〜5月17日の刃物・道具・造園ニュース|天空の坪庭8開催と荒波の鋼材関税

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5月11日〜5月17日の刃物・道具・造園ニュース|全国オープンガーデン一斉開催とナフサ高騰

5月中旬を迎え、全国各地で庭師や地域住民が主役となる「オープンガーデン」や「植木市」が一斉に開催。ひとつずつのイベントやフェアを書ききれなほどの質と量となり、どこも活況に包まれた。大阪府箕面市では緑豊かなガーデン空間を活かした自然栽培フェアが盛況、緑を通じた豊かなライフスタイルが発信された。一方で行政においてはグリーン購入法や「自然共生サイト」など、環境配慮や生物多様性の保全を後押しする制度の動きが活発化している。さらに、ホルムズ海峡封鎖の影響によるナフサ高騰が塩ビ管などの大幅値上げを引き起こしており、現場の資材調達や予算管理においてシビアな対応が求められる事態が加速した。

造園・庭職の動向

【イベント・造園】

大阪・箕面「第3回自然栽培フェア大阪箕面」開催。緑豊かな空間でオーガニックな賑わい

5月16日・17日の2日間、大阪府箕面市の「ABCハウジング ウェルビーみのお」にて、「第3回自然栽培フェア大阪箕面」が開催。自然栽培の農産物やオーガニック食のブースが並び、地域住民を中心に多くの来場者で賑わった。会場となったウェルビーみのおは、サステナブル&ウェルビーイングをテーマに整備されたライフスタイル体感型施設で、フラワー&グリーンショップや豊かな緑化空間が特徴だ。暮らしや食というテーマがガーデンの空間の中で調和し、「人が集まりたくなる空間」を植物でどう構成するか、プロとしても刺激を受けるイベントとなったようだ。
出典:自然栽培ファンクラブ 2026年5月

【地域イベント・文化】

全国各地でオープンガーデンや植木市が一斉開催。新緑の季節を彩る地域の熱気

5月のこの時期は、全国各地の庭師や庭を愛する人々が一番輝くシーズンのひとつ。この週末は気候にも恵まれ、各地で庭園や植物をテーマにしたローカルイベントが一斉に開催された。福井県高浜町の「オープンガーデンinたかはま」では、個人が丹精込めて作った庭が一般開放され、グリーンスローモビリティが特別運行されるなど地域一体型のモデルケースとなった。千葉県流山市の「ながれやまオープンガーデン2026」では、つるバラやハンギングバスケットが咲き誇る市内15カ所の個人庭が公開され、それぞれの庭の個性に感嘆の声が上がった。この他にも、茨城・つくばの「つくばオープンガーデン2026」、千葉・習志野の「ローズフェスタ谷津2026」、兵庫・多可の「多可オープンガーデン2026」、兵庫・尼崎の「尼崎さつき展」、大阪・堺の「堺さつき展」、愛知・碧南の「市民植木市」、東京・北区の「北区グリーンフェスタ2026」、京都・綾部の「春のバラまつり」、三重・津の「ハッピーローズフェスタ2026」、大阪・靱公園の「春の植木市」、東京・町田の「ROSE FEST 2026」など、全国各地で地域色豊かな催しが行われた。プロとして現場で汗を流す職人にとっても、地域の人々が庭や植物を愛でる姿は「庭の仕事の価値」を改めて実感させる大きな原動力となっている。
出典:各自治体・観光協会・実行委員会 公式発表(複数) 2026年5月

【行政・制度】

国交省・環境省・経産省が「グリーン購入法」公共工事のロングリスト公表と提案募集を開始

国土交通省、環境省、経済産業省の3省は5月11日、「グリーン購入に係る公共工事の継続検討品目群(ロングリスト)」を公表した。公共工事において環境負荷を低減できる資材や工法を継続検討するためのもので、造園分野でもリサイクル資材や屋上緑化などの動向が議論されている。あわせて、令和8年5月11日から6月11日までの期間で、民間から環境配慮型資材や技術の採用を促す「特定調達品目」の提案募集も開始された。日々の現場に追われていると見落としがちだが、公共・民間問わず「国が今どのような資材・工法をエコとして認めていくか」のトレンドを掴むことは、環境配慮型造園を強みとするための重要な指針となる。
出典:国土交通省・環境省・経済産業省 2026年5月11日

【行政・制度】

経済産業省、令和8年度「全国みどりの工場大賞」の募集を開始

経済産業省は5月、工場立地法の精神に則り、周辺環境の向上や地域社会への貢献に顕著な功績があった工場等を表彰する「全国みどりの工場大賞(緑化優良工場等表彰)」の募集を開始した。単なる敷地内の緑化に留まらず、地域住民との調和や持続可能な生態系配慮が厳しく審査される。企業のESG経営や生物多様性への対応が急務となる中、工場の緑地管理は企業価値を左右する戦略的要素だ。こうした賞を裏側で支えるのは地元の造園事業者であり、ただ維持管理を行うだけでなく「共に賞を狙う」提案ができるプランニング力と施工技術が、今後の民間緑地管理において大きな武器となる。
出典:経済産業省 2026年5月

【行政・制度】

「地域生物多様性増進法」が令和7年4月に施行。「自然共生サイト」が法制化され、造園業者への新たな役割

令和7年(2025年)4月、自然共生サイトを法制化した「地域生物多様性増進法」が施行された。民間の取り組みによって生物多様性の保全が図られている区域を国が「自然共生サイト」として認定するこの制度は、日本政府が掲げる「30by30」目標(2030年までに陸と海の30%以上を健全な生態系として保全)の切り札として注目される。2026年度に入り、認定を受けた企業や団体の緑地に対する技術的支援や社会的評価を高める仕組みが本格的に動き出している。「美しく刈り込む庭」から「地域の生態系を守る庭」へ。企業の敷地や社寺、里山などの管理を担う専門業者にとって、生物多様性保全への寄与という新しい評価軸に対応できる知識と技術が求められている。
出典:環境省 地域生物多様性増進法 令和7年4月施行

道具・資材の動向

【市場・グローバル】

ホルムズ海峡封鎖に伴うナフサ高騰が継続。塩ビ管やエクステリア用樹脂製品の値上げが現場を直撃

2月末から続く中東・ホルムズ海峡の実質的な封鎖を受け、石油化学製品の基礎原料となる「ナフサ」の国際価格が大幅に高騰している。この影響で積水化学工業は5月7日出荷分より塩ビ・ポリ管等を12〜20%値上げ。5月20日出荷分からは雨とい製品全般が20%以上、カラーパイプが30%以上という大幅値上げが適用されている。クボタケミックスも5月7日出荷分より塩ビ製品を30%以上、樹脂製品を20%以上値上げしており、石油系の断熱材や塗料・シンナー類にも受注制限や高騰の波が押し寄せている。庭まわりのエクステリア工事や景観土木現場の実行予算を直撃しており、仕入れ値の動向を正確に把握した上でのシビアな見積もり作成と早めの部材確保といったリスクマネジメントが不可欠な状況だ。
出典:日本経済新聞 2026年4月2日積水化学工業 2026年4月2日・建材流通業界各紙 2026年5月

【出典・引用元について】

本記事のニュース項目は、各公式発表および報道に基づきEDGEsが独自に構成・要約したものです。数値の詳細や最新の正確な情報については、引用元メディアにて直接ご確認ください。

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職人取材ライター浦田くん(浦田浩志 / EDGEs)

兵庫県神戸市出身。2000年より制作ディレクター・ライターとして活動を開始。2009年から雑誌「庭」で造園道具の連載を担当し、現在も継続中。これまでに50を超す鍛冶屋および刃物・道具メーカーを取材し、交流のある庭師は200名以上。2012年からは刃物・道具の越境ECサイト「Tetsufuku」を運営し、海外の刃物愛好家の動向にも精通する。執筆記事の一部はCiNiiにも「浦田浩志」の名で取材実績の掲載。EDGEsでは、これまでの経験とつながりをベースに、庭・造園・刃物・鍛冶屋・関連職人の世界に深入りしていきます。

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